ゴフッ……

いや、本当にすみません。とりあえず引き続き、輝く空に向日葵の愛を(http://nanos.jp/hiragi777/)様より、最後を告げる花です。
今回はＴＰＦのモブの方が出演されております。多分一生本編には出て来ません。では、ｒｅａｄｍｏｒｅよりどうぞ。

「ええ、ええそうです。……申し訳ございません」
　がちゃりと受話器を置いて深く嘆息する。思い出されるのは、たった今電話を切った相手の狼狽したような声。実際、狼狽しきっていたことだろう。誰も、自分の近くの人間に限って死ぬようなことはないと信じ切っている。たとえそれが、日常的にテロが起き人が死ぬようになってしまったこの場所でも。はあ、とため息をつく。さっさとこんな仕事辞めてしまいたいのに。
　だいたい何で、民間企業でもない、れっきとした公務員である自分たちがテロ犠牲者の家族にこうしていちいち連絡を入れなければならないのだろう。全く持って意味不明だ。
　はあ、と再び嘆息する。
　誰だって、もちろん自分だって顔も知らない他人を悲しませるようなことはしたくない。それが顔見知りならなおさら。ただ、どうもテロリストたちはそれを分かっていないらしい。なんでだろう、と考え込む。彼らには大事な、傷つけたくないものがないのだろうか、と。
　ただ、いくら考えても答えがでないことは分かっていた。彼女は余りに平凡な、そう、一般市民であったので。